一般社団法人日本先進医療臨床研究会(東京都中央区、代表理事小林平大央)では、炭酸水素ナトリウム注射液を使用した重曹水点滴療法を、ガンに対する補助療法として、実際の臨床で効果を測る症例報告を開始すると発表しました。
重曹水点滴療法はかなり昔から一般的に行われきた治療法で、当会(日本先進医療臨床研究会)特別顧問の坂口力先生によれば「ヨード治療と同様に、かなり古くからある治療法で昔はよく行われていた」との事です。
文献を調べると昭和34~36年に、大阪大学耳鼻咽喉科教室の外来、及び入院患者のうち、悪性腫瘍患者35名、動揺病(加速度病)、及びメニエール氏病をはじめとする「めまい」を起す迷路性疾患などの患者110名に対して重曹点滴療法が行われており、大阪大学医学部耳鼻咽喉科教授・長谷川高俊先生の論文「最近の重曹水点滴療法の現況」によって以下の様に報告されています。
「症状の改善率はメニエール氏病68%、突発性難聴71%、血管神経性咽頭炎83%であり高率に重曹水点滴療法が効果を収めている事を示した。また症例数が少ないので他疾患と比較しにくいが、血管運動神経性鼻炎、特発性鼻出血、蓄膿症根治術後頬腫疼痛等に100%有効であつた事から血管神経症性疾患に著効を示す事が明らかにされた。」
そして悪性腫瘍に対しては、長谷川高俊教授の論文「耳鼻咽喉科領域悪性腫瘍患者高濃度重曹水注射による一般治療」によって、放射線治療や抗ガン剤治療に対する補助療法として病態改善・体力及び食欲の増強・副作用低減などの目的で行われており、重曹水点滴を行った悪性腫瘍患者の病態改善効果及び副作用低減効果は殆どの患者さんで使用目的に対してほぼ一様に効果があったとして、「重曹水点滴療法については20個の症例について報告した通りであって、悪性腫瘍の根治治療、再発治療の別なく、対象療法に併用して用いるべきと考える。」と結論しています。
日本先進医療臨床研究会では、こうしたエビデンスを基に、重曹水点滴療法の症例研究を開始する事としました。また、本症例研究に参加を希望する方は下記事務局までご連絡ください。事務局経由で、担当医療機関の紹介を受け、担当医師と相談した上で、重曹水点滴療法が効果を発揮する可能性のある疾患や、病態・病状に対して、治療の一環として重曹水点滴療法を実施し、その結果を症例報告の形で集積する症例研究を行います。
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